住宅ローンは借金ありでも借入できる?通った人の特徴やバレる理由を徹底解説【2025年最新】

「マイホームを購入したい」と考えているものの、借金があるため住宅ローンを利用できるかわからないとお悩みではないでしょうか。また、借金のことを隠せばバレずに借入できるのではないかと考えている人もいるでしょう。
結論として、借金ありの人でも本記事で紹介する条件にあてはまれば、住宅ローンの借り入れが可能です。
この記事では、審査に通る人の目安や借入できない条件についてわかりやすく解説します。審査前に実施できる対策も紹介しているので、借金を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
借金は住宅ローンに影響しにくい
「借金があると住宅ローンを利用できないのでは…?」と不安に感じている人も多いでしょう。ですが実際には、滞りなく返済を進められている人であれば、借金は住宅ローンの審査に影響しにくいです。
例えば、自動車を買うために組む「自動車ローン」、子供の将来を考えて契約する「教育ローン」などは、全国にいる大勢が利用しています。
金融機関の多くは、上記のような理由あるローンを審査に加えていないことがほとんどです。そのため、借金があるからといって必ず審査に落ちるわけではありません。
なお、後述するブラックリスト入りといった問題がある人の場合は例外です。以上より、すぐに返済できる借金や、生活をよくするために大勢が利用している借金などは審査に影響しにくいと覚えておきましょう。
【4人に1人は借金の経験あり】

株式会社アシロが20~69歳の3,000名に実施したアンケート調査より、対象者の1/4の人たちが借金の経験があると回答。なかでも、住宅購入に動き出す前の35歳以下に借金をする人が多い状況です。そのため、借金を抱えたまま住宅ローンの申請をする人も大勢いることが伺えます。
個人信用情報に事故情報がある人は難しい【ブラックリスト】
借金があっても借入できる可能性のある住宅ローンですが、個人信用情報に傷がある人、事故情報がある人は審査で落とされるかもしれません。
「個人信用情報」とは、借金をする際に自動で登録される個人情報のことです。主に下表の専門機関に情報が登録されています。
信用情報機関 | 手続き方法 手数料 |
---|---|
CIC (株式会社シー・アイ・シー) | インターネット:500円 郵送:1,500円 |
JICC (日本信用情報機構) | 専用アプリ:1,000円 郵送:1,000円 |
KSC (全国銀行個人信用情報センター) | インターネット:1,000円 郵送:1,124~1,200円 |
もし返済が遅れていたり、借入先などとトラブルがあったりすると、ブラックリストに登録され「この人に貸すのは危険だ」という履歴を残されてしまいます。
そのため、長期的に高額な費用の貸し出しをおこなう住宅ローンにおいても、不安要素があるという理由で審査に落とされる恐れがあると覚えておきましょう。
なお自身の信用情報に傷があるかどうかは、上記の専門機関に問い合わせる(有料)ことで確認できます。住宅ローンを利用する前には、事前確認をしておくと安心です。
住宅ローンの審査で借金がバレるのはなぜ?
「借金のことを金融機関に言わなければ、審査でバレないのでは?」と考えている人も多いでしょう。ですがそれは不可能です。
なぜなら、住宅ローンの審査では前述した信用情報機関に照会を行い、次の情報をくまなく調査されるためです。
- 借金
- 債務整理
- 事故
- 延滞履歴
逆に借金のことを隠した状態で申し込みをすると、金融機関からの信用を落としてしまいます。バレる・バレないということを不安視するよりも、借金に関する情報をクリアにしておいたほうがよいでしょう。
借金を含めて住宅ローン審査で確認されるポイント
住宅ローンの審査では、借金を含めて複数の項目をチェックされます。そのなかでもよく確認される項目の特徴をまとめました。
借金の種類
住宅ローンの審査でチェックされる借金は、特に種類について調べられる傾向が強いです。
例えば、多くの人たちが利用する「自動車ローン」「教育ローン」など、利用する根拠がしっかりとした借金であれば審査に影響しにくいと言われています。対して「キャッシング」「消費者金融からの借り入れ」「闇金」などの使途不明で利用される借金については、審査に悪い影響を与えてしまうかもしれません。
特に常習的に借り入れを繰り返している人は、住宅ローン審査の結果がマイナスな方向に変化しやすい点に気を付けてください。
毎年の返済負担率
借金を抱えている方が特に気をつけたいのが、毎年の返済負担率です。
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合であり、次の計算式を用いて算出します。
返済負担率(%)=年間返済額÷年収×100
なお住宅金融支援機構が2024年4月に実施した「住宅ローン利用者の実態調査」によると、最大でも35%(平均19.2%)までに設定している金融機関が多いとわかっています。また一般的にも30%までに抑えて審査を受けたほうがいい言われているので、年収とのバランスを考えることが欠かせません。

ただし借金を抱えている人は、借金の返済額についても考慮する必要があります。具体的に言うと、次の計算式で30%以下程度に抑えられるのがベストです。
返済負担率(%)=年間返済額(※住宅ローンの借入+借金)÷年収×100
1年間で借金をどれくらい返す必要があるのかを計算し、その金額も含めて返済負担率の数値がどうなるのか算出しておけば「今の借金なら〇〇円までなら住宅ローンの借り入れができそうだ」ということをイメージしやすくなります。
なお、住宅ローンの返済と借金返済を考慮したシミュレーションを「借金ありの人向け|住宅ローンの返済負担率シミュレーション」で解説しています。合わせてチェックしてみてください。
収入の安定性
借金がある人は、金融機関から安定した収入があるのかをチェックされやすいです。
例えば、収入が安定しているなら「借金があるけれど問題なく返済できるだろう」と審査を通過させてもらいやすくなります。対して、毎年安定した収入がない人の場合には「借金もあるのに本当に返済できるのか…?」と疑問をもたれやすいです。
源泉徴収票や確定申告書などをもとに過去2~3年分チェックされることが多いので、借金があり、さらに直近の収入が大きく減った人は注意してください。
勤続年数
住宅ローンの審査では、現在働いている会社の勤続年数がどれくらいなのかをチェックされます。
参考として、国土交通省 住宅局が令和5年に公開した「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、約6割の金融機関が勤続年数1年以上は必要だと回答していることがわかりました。

借金もしつつ転職が多いという人は、収入面に不安があると判断されやすいため、少なくとも勤続年数が1年以上経ってから審査を受けるのがよいかもしれません。
また住宅ローンは、提供されている金融機関によって条件や審査の甘さなどが変化します。自分にぴったりの住宅ローンを選びたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
借金ありの人向け|住宅ローンの返済負担率シミュレーション
自分の抱えている借金が「返済負担率」にどれくらい影響するのか気になっている人も多いでしょう。参考として以下に、返済負担率のシミュレーションを掲載しました。
なお本項のシミュレーションは、返済負担率を30%として計算しています。
年収400万円|年間の借金返済額50万円の場合
まず年収400万円で借金がない状態だと、以下の計算式から年間120万円(月々10万円)まで住宅ローン返済に充てられることがわかります。
400万円×30%=120万円/年
対して年間の借金返済額が50万円ある場合には、以下に示す計算から適用できる住宅ローンの返済額は年間70万円(約5.8万円)となります。
400万円×30%-50万円=70万円/年
毎年の借金返済額によって、大きく住宅ローンの借入可能額が変化する点に注意しましょう。
年収500万円|年間の借金返済額100万円の場合
まず年収500万円で借金がない状態では、次の計算式から年間150万円(月々12.5万円)まで住宅ローン返済に充てられます。
500万円×30%=150万円/年
対して、年間の借金返済額が100万円ある場合、住宅ローンの返済額は年間50万円(約4.2万円)となります。
500万円×30%-100万円=70万円/年
借金の返済額が大きくなればなるほど、住宅ローンの借入額が減ってしまうことに注意してください。
また年収300万円で借入したい方は、以下の記事がおすすめです。月々の返済費用のシミュレーションも掲載しています。
ブラックリスト入りの原因となる借金一覧
住宅ローンの審査では、個人信用情報をチェックされることがほとんどであり、ブラックリスト入りしている人は審査に通りづらくなるので注意しなければなりません。
借金を含めてブラックリスト入りになってしまう原因を解説します。
使途不明のローン・キャッシング(消費者金融など)
特に使途が定まっていないローン(フリーローン)や消費者金融のキャッシングなどを利用して返済できずにいる人は、信用情報がブラックリストに入れられやすいです。
借りたお金はしっかりと返済する、もしくは信用情報が回復(おおむね5年~)した後に住宅ローンの借り入れをするのが良いかもしれません。
Q 個人信用情報機関に登録された情報はいつ消えますか。
A 登録された情報は、返還完了から5年後に削除されます。一度個人信用情報機関に登録されると、返還状況は毎月更新され、延滞を解消すると延滞を解消されたという情報として更新されます。
引用:日本学生支援機構「よくあるご質問」
家賃・ライフラインの支払い
ブラックリスト入りは、ローンやキャッシングだけではなく、次のような滞納・延滞などが関係することがあります。
- 賃貸物件の家賃
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- 電話料金(通信料)
継続的な支払いが必要となる上記のお金をカード払いで何度も払い忘れている人、また払えずに滞納したことがある人などは、信用情報に傷がつきやすいので注意してください。
税金の滞納
経営者本人や個人事業主(フリーランス)のなかに税金を滞納している人がいた場合、それも住宅ローン審査に影響します。
国民の義務となる納税をしていないことから「将来的に追加徴収を受けて住宅ローンを返済できなくなるのでは?」といった不安要素が残るため、借金と同様に審査落ちしてしまうかもしれません。
借金ありの人がやっておきたい住宅ローンの審査対策
借金ありの状態でもマイホームを購入したいと考えている人向けに、4つの審査対策を紹介します。審査通過率を高めやすくなる方法ですので、できることがあるかチェックしてみてください。
【対策1】借金を返済してからマイホームを買う
借金を抱えている人は、その借金を返し終わってからマイホームを購入するのがベストです。
借金が少し残っている状態、返済し終えた状態を比べると後者の方が審査に通過しやすくなるのは明白です。そのため短期間で返し終わりそうだという方は、借金を返済し終えるまで時期をズラしてみるのはいかがでしょうか。
なお短年で借金返済が終わりそうにないとお悩みの方は「住宅ローンの相談室」の無料相談をご利用ください。
【対策2】自己資金(頭金)を増やして借入額を抑える
借金を抱えている状態で家を購入したいなら、自己資金を増やしてから住宅ローンの借り入れをするのがおすすめです。
- 定期預金などを利用してコツコツ貯める
- 両親(配偶者の親)から援助を受ける(贈与)
- 副業で収入を増やす
- 自宅にある不用品を売る
自己資金を増やせば、その分だけ住宅ローンの借り入れ額を抑えられます。そのため、借金があっても審査に通過しやすくなるでしょう。
ただし、自己資金を増やすために新たな借金をつくるのはNGです。人から借りる際には家族など信頼できる人を選ぶことが重要だと覚えておきましょう。
【対策3】マイホームの価格を抑える
借金があり、住宅ローンの借入金額に不安を感じている方は購入するマイホームの値段を下げるのがおすすめです。
購入価格が安くなる分、借入する金額も抑えられます。
「注文住宅はあきらめて費用を抑えられる建売住宅にする」「土地代の安いエリアに絞ってみる」というように、価格を抑える方法はいくつもあります。借金というリスクを抱えているのなら、欲張らず妥協することも大切だと覚えておきましょう。
【対策4】借入期間を長く設定する
借金を抱えた状態で住宅ローンの借り入れを成功させたいなら、月々の返済額を抑えられる長期ローンを選択するのもひとつの手段です。
最近では50年ローンなど、返済期間を延ばせる借入方法なども登場しています。
従来の35年ローンと比べて15年分も返済期間を延長できるので、年間の返済負担率を下げるためにも借入期間を長く設定してみるのはいかがでしょうか。
なお50年ローンに対して不安を感じている方は、以下の記事がおすすめです。おすすめな人・おすすめできない人の特徴をわかりやすく解説しています。
借金があっても住宅ローンに通った人の特徴
借金を抱えながら、住宅ローンの審査に通ったという方も大勢います。
では、どのようにして審査を通過したのでしょうか。ここでは、借金を抱えていても住宅ローンの審査をクリアできる人の特徴をまとめました。
計画的に借金を返済できていると証明できる
計画的に借金返済ができている証拠を提示できる人は、借金があっても住宅ローンの審査に通りやすくなります。
例えば、過去に借金があった人は完済証明書を提示する、また現在進行形で返済している方は返済の領収書を金融機関に共有するのがよいでしょう。
借金以上の収入を確保できている
借金を抱えている一方で、それを十分にまかなえる収入がある人は、借金があっても住宅ローンの借り入れをしやすくなります。
なかでも、安定的に高収入を維持できている人は、借金および住宅ローンをまとめて返済できる余力があるでしょう。また副収入をもっている人の場合には、副収入で借金を返済できるかもしれません。
結局は借りたお金を返せるか、返せないかという部分に行き着くため、借金を抱えている方は副業などをスタートしてみるのもひとつの手です。

実際に副業をしている人は、毎月5~10万円ほどの追加収入を得ています。借金返済を早めることも可能かもしれません。
借金ありの人がチェックすべきよくある質問
借金があり、かつ住宅ローンの借り入れをしたい人向けに、よくある質問をまとめました。
借金があると住宅ローンは組めないって本当?
住宅ローンは、ほかに借金があっても借入が可能です。
ただし、使途不明のキャッシングを利用している人や、借金について滞納歴がある人、信用情報に傷がある人などは、住宅ローンを組めない場合もあります。
住宅ローンに今ある借金を上乗せできる?
原則として、住宅ローンに今ある借金を上乗せすることはできません。
ただし「ろうきん住宅プラス500」といった住宅ローンなどは、借金や他ローンの上乗せにも対応しています。どうしても借金を上乗せしたい場合には、対応している住宅ローンを選ぶとよいでしょう。
借金があるけど住宅ローンは借入できる?その悩みは住宅ローンの相談室まで
借金を抱えている人でも、問題なく返済できている状態だと証明できれば、住宅ローンの借り入れが可能です。そのため「借金があるから…」と諦めていた方は、この機会にマイホームの取得を検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、借金ありの人全員が審査を通過できるとは限りません。なかには「借金が多い」「収入が少ない」といった理由で審査に落とされることもあるでしょう。そこでおすすめなのが、住宅ローンのプロに現在の状況で借入ができるのかチェックしてもらう方法です。
住宅ローンの相談室では、「借金(ローン)がある」「収入に不安がある」「審査に落ちたことがある」など、住宅ローンの審査が不安な人向けに、最適な住宅ローンをプランニングします。
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